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上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を勤めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,
2019/11/2〜4に長野県でおこないます。→長野の会は中止になりました。
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2017-09-28長岡大手高等学校出前講座(群読)

[]長岡大手高等学校出前講座(群読) 長岡大手高等学校出前講座(群読) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 長岡大手高等学校出前講座(群読) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 長岡大手高等学校出前講座(群読) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

今年度から開始した群読出前講座で初めての依頼だった。長岡大手高校は,テニス部顧問時代に何度も訪れた学校だったし,長岡に住んだこともあったから,とても懐かしかった。長岡を訪れたのは本当に久しぶり。長岡ICから高校へ向かう途中,フェニックス大橋を初めて渡った気がする。

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内容は,前半は言語の機能と言語活動の講義,後半は群読の実習だ。教員を目指すという生徒が集まったと聞き,「今は全ての教科で言語活動の充実が大切なんだよ。」という話から,言語にはどんな機能があるのかという話をした。

後半は群読体験と,「小式部内侍が大江山の歌の事」の歌の部分以降の脚本を作り,発表という実習をおこなった。

みなさん音読させると,一発で声を合わせて大きな声で読む。すばらしい。音読の大切さが分かっている証拠だ。「国語の先生,厳しいの?」と聞いてしまった。「いえ,そんなことないです。」と答えてくれた。

本当は30分まるまる実習に使いたかったのだが,私が前半喋りすぎたのので,25分しか取れなかった。これは反省点。25分でやるのは厳しいよなと思っていたが,スクリーンに映したタイマーを見ながら,残り時間を計算してちゃんと仕上げてくる。優秀な証拠だ。

話し合いに聞き耳を立てていると,「ここは,掛詞だから,追いかけの技法で。」とか,「掛詞だから何度もくり返す。」とか,1学期で学んだ「小式部内侍が……」であるにもかかわらず,きちんと内容を把握し,それを脚本に反映している。うーん,群読学習のしがいのある生徒さん達だった。

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発表は,人前に立つことが慣れていないし,練習の時間が足りなくて,笑ってしまって上手く行かなかった班もあったが,中には声をぴっちり合わせて堂々とおこなった班があった。あの群読はすばらしかった。

群読出前講座,とっても楽しかった。

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2017-09-27対話的な学びとは その2

[]対話的な学びとは その2 対話的な学びとは その2 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 対話的な学びとは その2 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 対話的な学びとは その2 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

思いの外「対話的学び」について書くことがたくさんになってしまったので,その1の続き。

誰と対話するの?ということを考えてみる。人間は大きく分けると

  1. 過去
  2. 現在
  3. 未来

と対話できる。

1.過去

人間は過去と対話できる。過去とは会話できないが,対話はできる。過去との対話は文献を初めとする記録され,保存された情報となる。学習指導要領解説でも

子供同士の協働,教職員や地域の人との対話,先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ,自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているかという視点。*1

とある。「先哲の考え方」を児童生徒が簡単に閲覧できるのは本かネットの情報だろう。保存されたものは全て「過去」のものである。これらの情報をもとに,既存の知識を再構成し,新たなものを生み出すというのは,今までやって来たこと。「先哲の考え方」を単に覚えるのでは,「対話」とは言えないのは言わずもがなである。

2.現在

会話できる相手と現在対話できる。メディアを使って言語をやりとりできる相手と現在対話できる。

自分自身と現在対話できる。

3.未来

未来の何かと対話できるのだろうか?と考えてみた。「目の前のこの人が将来立派な人になるため,自分には何ができるのだろう?」という問いの設定をしてみると,「目の前のこの人」と今対話しても,その答えは出ない。目の前の人が数年後どうなっているのか?という想像をもとにその姿と対話した方がいい答えが出る。

これは自分との対話ではない。未来の他者との対話だ。未来の他者は反応してくれない,それは想像で賄う必要があるのだが,自分と対話しても答えは出ない。

ここでいう「未来の他者」は「未来の自分」や「未来の日本」などに置きかえることもできる。決して絶対解は出てこないのだが,対話してより良い答えを出した方がいいに決まっている。

最適解を出すためには未来との対話ができるようになる必要がある。

まだ書きたいことがあるので,たぶん,続く。

*1:中学校学習指導要領解説P.77

2017-09-24ナミヤ雑貨店の奇跡

[]ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

妻と次男で観に行った。ユナイテッドシネマで,日曜日に行ったにもかかわらず,クーポン券で中学生の次男は900円,ユナイテッドシネマ会員は1,000円だった。ずいぶん安かった。キャンペーン中だったのかな?

山下達郎が主題歌の映画は,いくつか行ったが,単に主題歌を作ったのではなく,劇中にキーとなる曲を作った。ラジオで曲をよく聞いていたせいか,劇中にその曲*1が流れるごとに,ぐぐっと来てしまっていた。

山下達郎の歌うバージョンはもちろんいいのだが,門脇麦バージョンもとてもいい。CD買おうかな?

公開2日目だったが,それほど混んではいず,観ている年齢層はかなり高めだった。Hey! Say! JUMPのメンバーが出ているにもかかわらず,そのファンは見当たらない。次男が最年少だと思う。きっと山下達郎ファンばかりが観に来ていたんだろう。

次男は絶えずティッシュで涙をぬぐったり,鼻をかんだりしていた。見終わってから,「君の名は。」の手紙バージョンだねと言ったら同意してくれた。

以下,ネタバレなのでクリック

続きを読む

*1:3種類あって,ハーモニカバージョンと,門脇麦バージョンと,山下達郎のエンドロールで流れるバージョン

2017-09-09対話的な学びとは その1

[]対話的な学びとは その1 対話的な学びとは その1 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 対話的な学びとは その1 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 対話的な学びとは その1 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

「対話」という言葉の意味をちょっと考えてみる。「会話」でも「議論」でも「話し合い」でもない。「隣の人と会話しなさい」,「隣の人と議論しなさい」,「隣の人と話し合いをしなさい」という表現はしっくりくるが,「隣の人と対話しなさい」となるとなんか変な感じがする。

「対話」の辞書的な意味は「双方向かい合って話をすること。また,その話。比喩的にも用いる。」*1

なんだけれど,「会話」とどこが違うの?ちなみに「会話」の辞書的な意味は「2人または数人が,互いに話したり聞いたりして,共通の話を進めること。また,その話。」*2

違いは「比喩的にも用いる。」の有無。きっと「対話的な学び」の「対話」は原義はもちろん比喩的な意味も含まれているのだろう。

話を元に戻して,「隣の人と対話しなさい」というがなんか変な感じに思うのは,私が「対話」に含まれる,辞書に表されていない意味をなんとなく込めているからだ。

そこで「対話」はどんな意味で使われているのかを調べてみると,いいサイトが見つかった。

ワールドカフェネットにいろいろな引用が掲載されていた。その中で,自分が含めている意味を言い得ている表現はこちら。

人は「対話」の中で、物事の意味付け、自分たちの生きている世界を理解可能なものとしています。人が物事を意味づけるときに、一人でそれに向かっているのではありません。相互理解を深めていくには、単に「客観的事実(知識・情報・データ等)そのもの」を知っているだけでなく、「客観的事実に対する意味」を創造・共有していくことが重要となるのです。

出典: 『ダイアローグ 対話する組織』 中原淳、長岡健 (共著)

「対話」は意味づけをしているというのだ。「会話」,「おしゃべり」は,単に「言い合う」だけでいいが,「対話」は意味づけをするためにおこなっているのだ。

目の前で起こった問題に対して,どのように解釈するか,どのような解決策を講じるかというときに「対話」という語が使われる。「各国の対話」,「首脳陣の対話が必要」は,「会話」で置き換えられない。会話すればいいって問題じゃないから。「学び」でも同じことが言えるのだろう。「会話してりゃ深い学びになるってわけじゃないよ」ということ。

先に「対話しなさい」に違和感を持つというのは,対話かどうかは本人の問題で,人に指示されることじゃないというところに原因があるようだ。意味を見つけようとしているかどうかは本人しか知らないし,本人が意味を見つけようとしなければ,対話にはならない。

学習指導要領で「協働的な学び」という語が消え「対話的な学び」になったということを田村学(文部科学視学官)は

一方「対話」は、「協働」に比べて、やりとりがあり、言語が介在し、また考えて自分で認識するというイメージがあります。(「教職研修」 2016.9 インタビュー「対話的な学び」とはなにか?

と述べている。「自分で認識する」というように,「自分に帰ってくる」ことが無ければ「対話」と言えないことがわかる。

つまり,「対話」するかどうかは本人次第であり,「対話しなさい」と言われたって,意味を見つけようとしない人には「対話」はできないことになる。こう考えてくると「対話的な学び」は「主体的な学び」に通じていることになる。

「対話的な学び」が最も簡単に書けるかな?と思ったんだけど,思いの外,奥が深かった。次回「何との対話?」にたぶん,続く。

*1:デジタル大辞林

*2:同上

2017-09-06「深い学び」について

[]「深い学び」について 「深い学び」について - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「深い学び」について - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 「深い学び」について - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

新学習指導要領で柱になっている授業実践の視点「主体的・対話的で深い学び」で,「深い学び」が最もつかみ所が無いものだと思う。「豊かな学び」とか,「深い学び」というものは,漠然と当たり前のように使われて,具体的にどのような状態が「深い学び」になっているのかを言語化しないままでいた。

「中学校学習指導要領解説 総則編(2017.7)」から読み取れる「深い学び」について考えて,「深い学び」とはこうなんじゃないかな?というものを探っていく。今回は引用が多い。

解説では「これが『深い学び』だ!」と明確に定義はしていないが,「深い学び」だけに言及している部分はある。


「第1章 総説 1 改訂の経緯及び基本方針 (2) 改訂の基本方針 ③ 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の推進」

オ.深い学びの鍵として「見方・考え方」を働かせることが重要になること。各教科等の「見方・考え方」は,「どのような視点で物事を捉え,どのような考え方で思考していくのか」というその教科等ならではの物事を捉える視点や考え方である。各教科等を学ぶ本質的な意義の中核をなすものであり,教科等の学習と社会をつなぐものであることから,児童生徒が学習や人生において「見方・考え方」を自在に働かせることができるようにすることにこそ,教師の専門性が発揮されることが求められること。(P.4)

  • 教科ならではの「見方・考え方」を働かせると「深い学び」に繋がっていく。
  • 教科等の学習と社会が繋がることにより「深い学び」が起こってくる。

「第3節 教育課程の実施と学習評価 1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の具体的な内容については,中央教育審議会答申において,以下の三つの視点に立った授業改善を行うことが示されている。〔中略〕

③習得・活用・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。(P.76)

  • 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解する。
  • 情報を精査して考えを形成する。
  • 問題を見いだして解決策を考える。
  • 思いや考えを基に創造したりすることに向かう。

というものが「深い学び」の実現されている姿であると書いてある。

1つ目は「深く理解」とあるので,「深い学び」の説明とは言えないが,様々な情報や既習事項を関連させて新たな考えを持ったり,問題を発見して解決策を得るということだと言っている。


主体的・対話的で深い学びの実現を目指して授業改善を進めるに当たり,特に「深い学び」の視点に関して,各教科等の学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」である。各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」は,新しい知識及び技能を既にもっている知識及び技能と結び付けながら社会の中で生きて働くものとして習得したり,思考力,判断力,表現力等を豊かなものとしたり,社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なものであり,習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて,より質の高い深い学びにつなげることが重要である。

なお,各教科等の解説において示している各教科等の特質に応じた「見方・考え方」は,当該教科等における主要なものであり,「深い学び」の観点からは,それらの「見方・考え方」を踏まえながら,学習内容等に応じて柔軟に考えることが重要である。(PP.77-78)

  • 各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方によって「深い学び」が起こり,学びが「社会の中で生きて働く」ものとなり,「社会や世界にどのように関わるかの視座を形成」することになる。

以上のことをまとめるとこのようになるだろうか?

  1. 教科特有の「見方・考え方」を得る
  2. 既習事項と今の学びを結びつけ,新たな考えを得る
  3. 新たな課題を見いだし,解決策を得たり,新たなものを想像する
  4. 学んで得たものがどのように社会に関わっていて,どのように社会で働かせられるのか,どのように影響するのかを得る

最後の方は私の発展的解釈も入っているが,「深い学び」が起こり,現実に社会に働かせることが出来ればいい授業になるなぁと思う。

内田樹さんはこんなことを言っている。

「学び」というのは自分には理解できない「高み」にいる人に呼び寄せられて,その人がしている「ゲーム」に巻き込まれるというかたちで進行します。この「巻き込まれ」が成就するためには,自分の手持ちの価値判断の「ものさし」ではその価値を考量できないものがあるということをみとめなければいけません。自分の「ものさし」を後生大事に抱え込んでいる限り,自分の限界を超えることはできない。知識は増えるかもしれないし,技術も身につくかもしれない,資格も取れるかもしれない。けれども,自分のいじましい「枠組み」の中にそういうものをいくら詰め込んでも,鳥瞰的視座に「テイクオフ」(take-off,離陸)することはできません。それは「領地」を水平方向に拡大しているだけです。(「街場の教育論」ミシマ社,2008,P.59)

自分がおこなっている学びは広い視座を持つことによりどのような価値があるのかわかる。自分は何をわかって何がわからないのかわかる。これらが「深い学び」に通じていると思う。内田樹さんは「テイクオフ」と言って,高い視点を持つと言っている。文科省は「深い」と対称的だが,同じことだ。

簡単に言えば,学んだことの意味がわかると言うことだろう。

意味は自分で見つけろ。(熊徹,「バケモノの子」,2015)

2017-09-05上越教育大学教職大学院紹介ビデオ

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M2のK君が見事なPVを作ってくれました。今後若干微修正はあるかもしれませんが,とりあえず試用で掲載します。

https://youtu.be/C_J8pbhakCA

2017-09-04主体的な学びとは

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「主体的・対話的で深い学び」の「主体的な学び」*1とは?と聞いてみると,「自ら進んで学習に取り組む。」と答えるのが一般的だ。

私は学習において,3つの場面での「主体的学び」があると考えている。

  • 学習過程
  • 目標設定
  • 学習結果

の3点である。

「学習過程における主体的な学び」とは,一般的に考えられる「自ら進んで課題に取り組んでいる」ということだ。授業中嫌々取り組むのではなく,その学習の必要性を感じ,強制されるのではなく,取り組んでいる姿が「主体的な学び」だ。教師側から見ると,これほどすばらしい学習の姿はない。とても理想的だ。教室内のみんながそうなってほしい。と願う。「主体的に学べ!」と言いたくなる。でも,言った時点で「主体的な学び」ではなくなる。

多くの教師が第1に上げるこの「主体性」は,実はこれだけでは成立しないものである。このような学習者の姿になるためには,次の「目標設定の主体性」が必要になってくる。

「目標設定の主体性」とは,課題が与えられ,学習者は学習方法や自らの目標を決められることができるということだ。課題に到達するために,まずは何をクリアすべきなのか(目標設定),どのような方法を使ったら,自分はその課題を解決することが出来るのかを考え,決めることができるということだ。

教師がやり方を決めたり,細かい目標設定をして,必ずそこをクリアすることを求めると,途端に学習者はやる気が無くなる。やる気以前に,やり方を決定したら,学習過程の主体性自体も自然と消滅するのは必然だろう。

教師が課題を設定し,学習者がやり方を選び,各自最適な方法で課題に向かうということで,学習過程,目標設定の主体性が生まれてくる。

そして最後の「学習結果の主体性」だが,課題がクリアしたときに,それまでの学習の意味を自ら見つけられるということだ。学習者が同じ課題をクリアしたとしても,学習者は個々にその課題の意味の受け取り方が違っていいものだ。

ある学習者は言語活動の重要性を知り,言語の意味を見つけ,ある学習者は仲間と繋がることの重要性を知り,ある学習者は自然現象を理解する上で,自分の書けている部分を知る……ということは,1時間の授業のうちに起こりうることである。いや,起こって欲しいことであり,教師はそこを目指さなければならないと思う。

1時間の授業で,全員が同じ受け取り方を教師が求めてしまうと,その次の学びに繋がらない。「その次の学び」こそが「深い学び」に繋がるものである*2

つまり,「意味は自分で見つける」ということだ。意味を自分で見つけられる指導,授業を仕組んでいくことで,「主体的・対話的で深い学び」を実現することが出来る。

*1:「主体的」,「対話的」,「深い」を別々に考えるべきではない。という人がいたが,そんなことはない。新学習指導要領解説でも「深い学び」と取り上げて言及している。それぞれ「主体的学び」,「対話的学び」,「深い学び」と個別に表現して考えていいものである。

*2:「深い学び」については,また別の記事で。

2017-09-02サテライト講座(東京都立科学技術高等学校)

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「高校卒業時を見据えた,生きるために必要な資質能力」というタイトルで講演&グループワークを行った。

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私が「学校を最高のチームにする!365日の集団づくり 高校」で示している,高校卒業時を見据えた,生きるために必要な資質能力」は,「将来の社会を任せたい自立した立派な市民」というもので,それを説明し,それでは,都立科学技術高校の学校設定科目「探求」では,目の前の生徒の20年,30年後のどのような資質能力を付けるために,どんな目標を設定し,どのような評価規準と基準を作ればいいのか,というグループワークを行った。

その学校の具体的な課題をもとにグループワークが出来るのは,参加者がその学校の先生だけだったからということもある。でも,その学校の課題をその学校の先生方がディスカッションするというディープな講座がもてた。特に高校ではこういう機会というのはあまり設けられないと思われるので,ディスカッションを聞いている私も興味深く聞けた。

聞き耳を立てて,私は口を挟むよりも,会場にあったホワイトボードに書き出すことをした。そうすると論点や,ディスカッションの行く先,みなさんが大切にしたい共通点などがわかってきた。それをもとに収束していった。

教育活動は,目的,目標,評価,授業デザインを一体化させて考えるべきだということが少しでも伝わったらうれしい。

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使用プレゼンファイル

2017-09-01『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる

[]『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる! 『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる! - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる! - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる! - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

阿部隆幸さんとちょんせいこさんの共著。先日届いて読了した。

今までは『学び合い』についての本はたくさんあったけれど,コラボ本は珍しいのかな?「ホワイトボード・ミーティング」と『学び合い』は親和性が高いとよく聞いていたけれど,この本を読んでよくわかった。

ちょんさんのホワイトボード・ミーティングや,阿部さんの小学社会での実践記録と『学び合い』の考え方がどこに反映されているのかが詳細に書かれてあって,『学び合い』は方法ではなく「考え方だ」ということが良くわかる内容だった。

『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる!
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