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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,2019/11/2〜4に長野県でおこないます。
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2017-05-26メッセージ

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米アカデミー賞に様々な部門でノミネートされていた映画だが,日本の公開は非常に遅れた。有名処の俳優が出演していないから,映画館を抑えられなかったというのが理由だそうだ。だから,公開もあっという間に終わってしまうのでは?と思い,早めに観に行った。

しかし,日本では栗山米菓の「ばかうけ」に宇宙船が似ているというので,一部の人に話題になっていた。

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地球上の12箇所に突然巨大な宇宙船がやってくる。18時間ごとに入り口が開き,中に人間を招き入れコンタクトの機会を作ってくれる。訪問者(ヘプタポッド)と人間はコミュニケーションを取ることが初めはできないが,主人公である言語学者は徐々に訪問者の言語を理解していき,地球への訪問の理由を探っていく。

ヘプタポッドは人間と姿形や認識の方法,物事の概念形成が全く違うので,相互理解を測るのが非常に難しい。科学技術レベルもヘプタポッドの方が圧倒的に上である。ヘプタポッドを人間とすると,人間は昆虫レベルなのかもしれない(私の勝手な見立て)。人間と昆虫が相互に理解をするというのは考えただけでも気が遠くなる。

言語を自由に操れるほど習得すると,その言語を母語とする担い手の認識方法,概念形が習得できるというのが,言語学においては考えられている。主人公はヘプタポッドの言語を習得していき,ヘプタポッドの認識方法,概念形成を習得できるようになり,いろんなことが分かってくる。

ここら辺,言語教育に携わる人は必見だと思う。

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以下ネタバレになるため,クリックしてお読みください。

終盤に行くに従い,主人公の娘を亡くした記憶が実は未来のもので,過去のものではないのかどうかわからなくなってきた。わからないという感覚を見ている人に持たせる演出なのかもしれない。これこそがヘプタポッドの概念形成なのかもしれない。

しかしそうなるとやっぱり矛盾が出てくる。時間の概念がないのに,ヘプタポッドが「3,000年後」と言っているのはちょっとおかしくなる。主人公が危機を救った言葉は明かされていないが,それの取得もちょっとご都合的かな?とも思う。

未来を知ったときにどう行動するか?というテーマは,考えさせられた。映画の中の「答え」もとてもいい答えで,印象に残っている。しかしその未来はヘプタポッドがそうしたようにそれからの行動で変更可能なものであるというのもいいエンディングだった。