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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。

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教室『学び合い』フォーラム
第13回(2017年)は関西地区でおこないます。
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2016-06-28バケモノの子(再観)

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バケモノの子」のDVDを買った。以前に映画館で観たものだ。

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火曜日は映画の日と自分で決めたので,再観した。最近よくあるのだが,印象的なフレーズが自分の信念や,テーマとなって,その元ネタを忘れてしまうということ。

「意味は自分で見つけろ」という私の教育観のテーマは,実は2年前に見たこの映画が元だったのか。もっともっと前から考えていたことだと思っていた。もちろん私の中には「意味は自分で見つける」ということは,ずっと前からあったのだけれど,この映画で言い表してくれたからその後そのフレーズが頭にあったのだと思う。

この映画は師匠と弟子を考える上で,とてもいいものだ。師匠と弟子は理想の教師と学生・生徒・児童,また,親と子に置き換えられる。この映画の中ではこの関係が何重にも描かれていて,それを整理しようと思う。ネタバレになるけれど,1年前の映画だからいいかな?上映1年経ったからそろっとテレビでやるんじゃないかな?

熊徹:師匠がいない。弟子がいない(いなかった)。宗師になるために,現宗師から弟子をとらなければならないと言われ,弟子を見つける。人間の九太を弟子にとる。【強くなるためには弟子をとらなければならない。】

九太:母が死に,父が行方不明(つまり親がいない)。熊徹に拾われるが,師匠と認めたくない。ひとりで生きていくには強くならなければならないが,その方法がわからない。

熊徹は師匠をもったことがないから,教え方がわからない。自分の技を言語化できない。だから強さも伸びず,ライバルに勝つことができない。

九太は説明できない熊徹からの説明を受けることはできないが,熊徹の脚の動きだけを真似ることにより,熊徹の動きを見切るほどになる。熊徹は九太に「教えてくれ」と言う。

師匠は教えることができなくても,弟子は学び,師匠をある面で超えることができる。それは「学ぼうとする気持ち」があるからであって,決して教え方が上手だからといって弟子が伸びるということではない。また,師匠は自分を超えそうな弟子がいることにより,弟子から学び,上を目指すことができる。師匠は自分のレベルまで弟子を引き上げることが仕事ではなく,弟子に自分を超えてもらうことが仕事である。】

楓:親の希望に添うようにたった一人で勉強だけをしていた。

九太:楓に自分が現実に住んでいる世界とは違う世界(書物に書いてある世界)があることを教えてもらう。

楓は九太に一人よりも二人で物事に取り組んだ方が,楽しいし,はかどるということを教えてもらう。九太は楓に今自分のいる世界とは別の世界もあるということ,その世界を知ることが楽しいんだということを教えてもらう。

【意図しない他者の行動でもそれが自分の学びにいい効果を生み出す。】

つまり,【意味は自分で見つける】ということ。意味は他者から教わったり,押しつけられたりするものではなく,意味を解釈できなければ,どんな高度な情報や体験であっても,「意味ない」ものであるということ。

師匠師匠であるのは,それを「師匠」と意味づけている弟子がいるからだ。誰も「師匠」と意味づけていない師匠は「師匠」ではない。

じゃあ「師匠」はどのように弟子に関わるのかというと,この映画のクライマックスに関係し,一番いいところだから書かない。もっともっと読める要素がたくさんあるいい映画だな〜。