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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,2019/11/2〜4に長野県でおこないます。
manabiainu
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2015-10-10自ら課題を見つけ自ら解決

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東京の沖さんに触発されて、自ら課題を見つけ、自ら解決する授業に切りかえて約1カ月、面白い点と、課題が見えてた。

それまでは、課題(問題)をこちらでプリントに書いたり、黒板に書いたりして提示して、その課題を解決する時間をとり、その後黒板に出て書いてもらい、検討するという流れだった。

そんな授業でも子どもたちは盛り上がっていたし、課題解決時間にはいろんな人と交流し、その後の検討の時間も集中していたように思われた。

しかし、現状の子どもの様子として、受身的な学習態度であることは否めなかった。問題プリントを与えられたらそれをやって暗記する。テスト勉強はひたすら暗記(しかもじっとノートや問題集に書かれてある文字を見つめるだけ)。

そこで夏休み後、教室『学び合い』フォーラムで沖さんが紹介してくれた授業を私も導入しようと思って語った。

みなさんはとても真面目で、与えられた課題はしっかりやる。このままでいい感じなのかもしれないが、これでは課題を自ら見つける力はつかない。課題を自ら見つける力は訓練しなければつかない。だから始めはきっとうまく見つからないかもしれないが、訓練していけば必ずいい疑問、質問、または感想が湧き上がってくると思う。それをみんなで検討していく授業にしよう。

ということで、現代文はまずは音読してから、疑問を口頭で伝えたり、紙に書いて提出する*1。その次の時間に教科書を読めば解決できそうな疑問点をまとめたプリントを配布し、それについて検討していく。教科書を読んでも解決できそうにない疑問点は、「お便りコーナー」みたいに授業の始めか終わりに紹介し、回答したり、笑いをとったりする。

古典は授業の時間の前にノート提出をして予習をチェックする。授業になったら読みの確認をして、傍線注釈プリント*2を配布し、自分の傍線注釈との違いから疑問点を見つけて、私が黒板に書き、その疑問点に対する答え(思いつきでもOK)が湧いたら自ら黒板に書きに行く。

という流れだ。

まずはメリットについて

  • 子どものつまずき、勘違いがあらわになるようになった。
    • 登場人物は誰?
    • 「少納言の乳母」は「清少納言じゃないよ」
    • 少納言の乳母が探しに行くのは若紫じゃないよ
  • わからないところだけ授業で扱うので、時間に追われることが無くなった。
  • 以前やっていた授業の検討の時間だと教師主導で解説(たまに生徒に当てる)だったので、そこでのつまずきがわからなかったが、更なるつまずきを拾い上げることが出来る。
  • これは押さえてほしいなあということに関して必ず疑問が出されているので、主体的な学びになっているように見える。
  • 出された疑問を「翻訳」する力が教師につく。このままでは漠然とした問いだなぁというものを、解答しやすい問に変換し、疑問点をはっきりさせる力がつく。

うまくいかない点について

  • 以前の授業形態に比べて交流しなくなった生徒が生まれた
  • かなりの自信が無いと黒板に出て書くことをためらう生徒が多い
  • わかったことをクラス全体にシェアしようという気持ちを持てない生徒もあるていどいる(自分たちがわかってそれで満足)
  • 1段落のことを押さえないと2段落がわからなくなるような場合、段落が進んで行くとぼんやりし過ぎて全てがわからなくなり、疑問も出せなくなる

改善として、グループを作ることも必要であると思った。いつも固定のグループである必要はないが、うちの生徒の場合、かなり真面目なおとなしい子も多いので、自分の席を離れて席の遠い子のところまで聞きに行くということに抵抗があるのだ。

試しに近くの4人で席を合わせなさいと言ったら、情報交換が活性化した。疑問もたくさん出るようになった。たまに環境を変えるのもいいものだ。

それからこのやり方がうまく行くかはクラスの雰囲気作りが大きなウエイトを占めている。解答(回答)は当てることはしないので、自主的に黒板に出ていくことになる。当てれば書くのだろうけれど、それでは、「みんなで解決する」という雰囲気が作れない。しかし、「自分は前に出て書いてもいいのかな?」なんていう雰囲気もある。このハードルはかなり大きい。「思いつきをどんどん書いて。」「正解なんて期待していないよ。たとえ間違ってもそれが学びに繋がるんだ。」とは伝えているが、なかなか難しい。

「間違ってはいけない」というプレッシャーを拭えないためそうなってしまう。間違った場合は、どうしてそう考えたのか、なぜ間違ったのかというものを解説したり、「ツッコミ」をして、笑いに昇華させたりして、「間違い」がためになったということをしていかないと、どんどんプレッシャーが大きくなってしまう。

前に出て書くというハードルを除くために、手元のタブレットに書けば、それが電子黒板にすぐに映しだされ、書かれた内容をシェアし、情報の集約が出来るようなシステムがほしいなぁ。うちに電子黒板はないけれど、プロジェクターはあるので、私が持っているApple TVをつなげて、後はタブレットが10台くらいあって、そこに書かれたものがリアルタイムに映しだされるようなシステムはないかなぁ。

受け持っている2年生は中間テストが終わり、その後修学旅行で、授業開始は2週間後となる。その時までに、授業の組み立てを修正し、確認して押さえるべきところは押さえてからの課題提出授業をしていこうと思う。

*1:メールアドレスを作り、そこに送信しても良いとしたのに、まだ1件もない

*2:現代語訳を古文に傍線を引いて右側に記したもの