上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を勤めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
研究室ページ katagiri-lab
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,
2019/11/2〜4に長野県でおこないます。→長野の会は中止になりました。
http://manabiai.jimdo.com
2014-01-05ゼロ・グラビティー
■ [映画]ゼロ・グラビティー 2013

長男とユナイテッドシネマで鑑賞。いやぁ、すごい映画だった。評論なんかを読むと厳密には無重力を完全に表してはいない(間違いがある)ということだが、過去の映画の中で最も忠実に表現したものではないのか?
そして宇宙に放り出された孤独感と寄る辺なさと、そして地球に生還した時のカタルシスは今までの映画以上に表現されていたと思う。宇宙の無重力空間での圧迫された孤独感が、我々が今当たり前のように暮らしている重力空間がとてつもなくすばらしいものに思えてしまうように描かれている。
途中、中国の宇宙船でのギャクなんかがあったり、息抜きできる部分もあり、うまく作られているなぁと思った。
3Dで見るべき映画であるし、3Dで見た映画で初めてすばらしいと思った。高かったけれど。
あんな苦労してせっかく地球に帰ってきたのに、あんなことで死んだらもったいないなんて思ったりして。そして最後に出てくる動物もなかなかよかった。
日本題の「ゼロ・グラビティー」というのはこの映画を表していない。ラストシーンに出てくる「GRAVITY」がよかったなぁ。なるほど、そう言う映画かと思った。
下の動画は本編を見てからみるべし。
2014-01-04探偵物語
■ [映画]探偵物語 1983

CS試聴
劇場で観て以来なのかもしれない。30年前の映画。当時はテレビ版の工藤探偵演じる松田優作以外にこのタイトルの映画に出るのはいない!なんて思っていたら、本当に松田優作が配役されて嬉しく思ったものだ。
薬師丸ひろ子が本当にかわいらしい。いやぁ、当時は魅了されたものだと思い、30年前を思い出しながら見ていた。当時私は18歳か。30代中盤の松田優作を大人だなあと思いながら見ていたが、今の松田龍平とっても似ているのにびっくりした。アゴあたりがすっきりしている所なんてそっくりだ。
ミステリー的には単純な仕掛けだったんだけれど、謎が解決されてからエンディングがとっても長い。メインはそこだったんだなと思う。松田優作の恋愛映画はそれほど無いと思うんだけれど、ハードなアクションも、スリルも無い松田優作の映画だが、謎の解決後のあの間を演じられるのは松田優作だなぁと思う。
特に空港でのエンディング、薬師丸ひろ子が歌う「探偵物語」が流れながら、タイトルロールが流れている間、じっとしている松田優作。そしてそこにテーマ曲の「作詞:大瀧詠一」と出るのが、今見るべくしてあった映画だったのかな?と個人的には必然を感じた。
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2014-01-03初恋
■ [映画]初恋 2006

CS試聴
公開された時にはちょっと話題になっていて頭に引っ掛かっていたので、見た。宮崎あおい20歳前後の作品で、ぼーっと宮崎あおいを見ているだけでもよい映画だった。
三億円事件犯人を女子高生にするという安易な設定のような気もしたが、1960年台の時代感がそれらしく描かれていて、見ていて良かった。
ストーリー展開は唐突でしかも説明も何も無しで、いきなり怪我をしたり、いきなり死んだり、断片的であり、ストーリー的には本当に「三億円事件-女子高生」というものだけだった。
「初恋」といっても恋愛ドラマ的なシーンは全くない。あの時代の不条理な断片的な事故・事件が重なり、若者たちの有り余った力が結局は何にも昇華されないという60年台安保暗黒時代のやるせなさがよく描かれていた、と思う。
とにかく、宮崎あおいが美しく描かれている。バイクに乗るシーンはすばらしい。
2014-01-02鈴木先生
■ [映画]鈴木先生 2013

CS試聴
中学校が舞台だが、非常に良くわかる映画だった。登場してくる中学生がちょっとできすぎのきらいがあったが、長谷川博己演じる「鈴木先生」の内面は非常に良くわかる。
自分の中での信念(理想?妄想?で)で突っ走ってしまうところとか、「小川病」なんて言っているところとか、弱者であるところとか、教師なんて単なる人間なんだから、いろんな面があって、それを抱えて「教師を演じている」なんていう学校ドラマは今まで無かったんじゃ無いか?あ、江川達也のマンガの「Be Free」があったか。お、それに通じるところがあったなぁ。
だから最後まで感情移入しながら見ることができた。クライマックスのエピソードとそれを解決した手法が非現実的だったのはちょっと残念だった。
しかし、長谷川博己のあの妄想キャラはぴったり合うなぁ。「八重の桜」の川崎尚之助の役をやっていたとは思えない壊れぶりだ。妄想キャラを演じるには最高の役者のような気がする。「地獄でなぜ悪い」がはまり役なわけだ。