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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
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2009-12-09信じられるもの・信じられないもの

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まずはBOSSのCMを見てください。(動画変換モジュールのテロップが入っていますが、テレビではそのテロップは表示されていません。有料モジュールを導入すると、変換時に消えるんですが……。)

このCM、胸にぐぐっと来たので、人間はいったい何を信じるのか?ということを今日の授業の始めに語りました。

小学校の子どもが周りの友達に「サンタなんていねーよ」と言われてがっかりする。「この惑星の住人は集団の意見に流されやすい。」とつぶやく。このそして宇宙人ジョーンズがサンタになってプレゼントを届けようとすると、本物のサンタが先に届けていて、「だが、この惑星には サンタクロースは  いる。」と締めくくられるCMです。

このCMで「人間は何を信じるか?」ということが端的に表れています。「集団の意見」を信じてしまうんですよね。そして、小さい時は信じられないのに、歳を重ねると実際に見たことがない「サンタクロース」は信じられなくなる。

「目に見えるもの」は信じられる。つまり、「数値」に表すことができるものを信じてしまうのです。「数値に表す」ということを「科学」といいます。「科学」は数値やデータが全てです。しかし、この世の中は数値で表すことができないものの方が多いのです。

目に見えるもの、数値に表せるものばかり気にしていると、数値に表せないものが見えなくなります。信じられなくなります。「集団の意見」という「絶対多数」ばかり気にしていると、本当にあるものが見えなくなっちゃうのです。

サンタクロースがいないというのは、「みんながサンタクロースを信じていない。」だけのことで、「サンタクロースはいない」ということは誰も証明できないのです。これは幽霊、お化け、もののけなどにも言えます。

私が大学時代、倉庫の2階みたいな部屋に住んでいたのですが、夜トイレに行く時、くみ取り便所の途中に鏡があるのです。そこを通るのがとっても恐かったんです。「オバケなんていない」と頭ではわかっているのに、恐くなる。誰かがそこに潜んでいて襲いかかってくるかもしれない夜道とは違うのに、恐いんです。どこかでオバケやもののけを信じているということです。

古典の世界には、大の大人である貴族が、御所の中のお化けに恐れおののくという記述があります。つまりみんなが信じているから、「目に見えないもの」を信じているし、本当にお化けがいたということです。

学校生活での「数値」は「成績」ですよね。

数値で表せるもの、「成績」ばかりを気にしている人がいますよね。「先生、これやれば点数になりますか?」とか、「これやったら10点減点だ!」とか、言ったりいわれたりするでしょう?

でも、そうなると、生きていく上で本当に必要な目に見えないもの、例えば、「誰かが自分を必要としている。」というようなことに気づかなくなります。そんな、今にも死にそうな人を医療技術で助けるというようなことじゃあありません。目の前のゴミを拾ったら、みんなが快適になるだろうな、とか、家の前の雪をかいたら、そこを通るだれかが助かるだろうな、とか、ここで喋らなければ、周りの人が先生の話すことを聞きやすいな、とか、そういうものです。そのセンサーの感度を上げてください。

なんでこの教室でこんなにたくさん集まって、しかも、今の時間、みんなと同じ年頃の人たちが一斉に西を向いて座っているのか、というと、そういうセンサーの感度を上げるためです。他人がいなきゃそのセンサーの感度は上げられません。

こいつに情報を与えたり、こいつから情報をもらったり、気を遣ったり、気を遣われたりすることがセンサーの感度を上げることにつながるんです。

みんなも目に見えないものを信じているじゃないですか。「愛」とか「恋」を信じているでしょう?遺伝子レベルでは、「愛」とか「恋」なんて、遺伝子を次世代に引き継がせる「錯覚」なんて言っている人もいるけれど、でも、「愛」はあると思うでしょう?

周りの感じ、雰囲気、空気も数値で表せないものですよね。それが「ある」と思うでしょ?だからそれを感じるセンサーの感度を上げましょう。

実は国語も数値で表すことができないことを扱っています。この文章とこの文章、どっちがいい文章か?どっちがわかりやすいか?なんていうのは数値では表すことができません。この文章は30で、この文章は35だからこっちがわかりやすいなんて測ることはできません。

でも、わかるんです。数値では表すことができなくても、どっちがわかりやすいかはわかります。目で見えないけれど、わかるんです。分かるということはそれが存在する証拠でしょう。

目で見えない、数値で表すことができないものの方が実は重要なんです。

息子が「お父さん、サンタクロースっているの?」といつか聞いてきたら、「いるに決まってるじゃん。」と私は言い張ります。

ということで、「意見文を書く」という単元に入りました。

長男がいつか、本当に聞いてきたら、一緒に「34丁目の奇跡」を見て、1ドル紙幣を見せることにします。アマゾンに注文したプレゼント、早く届いて、ごまかすのにちょっと焦った。

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